品質工学は設計初期段階からシステムを構成する部品の許容差を考慮し,ロバスト設計とチューニング設計の2段階設計により部品の許容差の影響に強い条件を導出でき、様々な応用分野に適用した例が報告されています。しかしながら、マイクロ波帯のような高い周波数でのフィルタの設計に適用した例はなかったため、小野研ではマイクロ波帯バンドパスフィルタ(BPF)とローパスフィルタ(LPF)に品質工学を適用すべく研究を行っています。品質工学をあるシステムの設計に適用する場合にシステムの癖を理解して設計手法を構築するところが難しいところであり、研究要素となります。癖を理解した上で品質工学を用いた設計手法が確立できると、設計仕様が変わっても経験に依らずに設計ができるようになります。
出典:今井 勇太, "品質工学を用いた高周波帯7段LPFのカットオフ周波数に着目したチップ素子のばらつきに強い設計に関する研究, 電気通信大学大学院 修士論文, March 2021.