Nitrogen-Vacancy Center(NV Center)はダイヤモンド中に形成される窒素(Nitrogen)と空孔(Vacancy)からなる格子欠陥で、このような材料をつくることで室温大気圧下でも量子状態を保つことができ材料内のスピン状態に依存した蛍光を示します。目に見えて観測される現象として、緑色のレーザ光(波長532
nm)をNV Centerに照射すると、緑色の光によりNV Center内の電子スピンが励起され、励起された電子スピンが元の状態に戻る際に赤色の光を発光します。不思議な感じがしますが、じかに見ると感動します。さらにマイクロ波を照射することで、ある中心周波数を境に2周波数にスペクトラムが分離し(ゼーマン分裂)、光学的磁気共鳴(Optically
Detected Magnetic Resonance, ODMR)信号が観測でき、超高感度な磁気、電気、温度、ひずみセンサーとして利用可能で、国内外で活発に研究開発されています。
小野研では今までに構築した高周波回路技術を活かして、日立製作所様との共同研究によりNV Centerに交流磁場を印加するためのNVC Scanning Probe microscope(NVC-SPM)用のマイクロ波アンテナを開発しました。電磁界シミュレータはFemtetを用いました。