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電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 小野研究室


  • 平坦な通過帯域を有するマイクロ波帯バンドパスフィルタ(BPF)とローノイズアンプ(LNA)を組み合わせて実現した"角(かく)"形特性

 BPFは共振器で構成されますが、その共振器の損失成分の影響が大きいとBPFを設計した際に通過域の損失が高くなるだけでなく、阻止域の遮断特性も緩やかになります。 その状態でLNAを前段または後段に接続すると左下のように通過域も遮断域も丸みを帯びた特性となります。これを解決するために平坦な通過帯域を有するBPFを用いることで解決できます。市販のLNAで平坦な通過帯域を有するBPFに合うローノイズアンプ(LNA)がなかったため、 回路設計からボード設計/試作、部品実装までを自作した回路を使用しました。石川先生の研究室のアンプ測定系をお借りして性能を評価した結果、平坦な通過帯域を有するBPFの特徴である"角(かく)"形の通過特性をそのまま増幅するような周波数特性となり、 Noise Figure(NF)は1.99 dBとなりました。今までのフィルタ設計技術を駆使することで,LNAと平坦な通過帯域を有するBPFの融合設計が可能であり,今後、設計手法から構造設計までを実現する予定です。


出典:Tomohiro Tsukushi, Satoshi Ono, Koji Wada, "Realization of Rectangular Frequency Characteristics by the Effects of a Low-Noise Amplifier and Flat Passband Bandpass Filter," IEICE TRANS. ELECTRON., VOL.E104–C, NO.10, pp.568-575, OCTOBER 2021.

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